健助「いやボク団長じゃないし!それに団じゃないし!」
黒子「やれやれ、先が思いやられますわね」
初春「がんばってきてくださいね」
科学と魔術と殿が交差するとき、新たな武士(もののふ)が生まれる━━━━━━
支援
道士郎「ヒマじゃの……」
健助「まあまあ、この間一方通行クンを一方的にシコタマぶん殴ったじゃない」
道士郎「しかしの、あれでは殴った気がせんでの」
健助(つまり殴り足りないから誰かを殴りたい、と……)
御坂「なーに?アンタらまたアイツのこと殴ったの?」
健助「あ、御坂ちゃん」
道士郎「子供じゃ」
御坂「子供じゃないって言ってんでしょ!」ビリビリ
御坂「なによ!どうせまた切らしてるんでしょ!?」ビリビリ
道士郎「カカカ、今日はちゃんとあるぞ。ほれ」ヒョイ
御坂「! ありがとう……」スッ
御坂「……」ヒョイッパク
御坂「……」コロコロ
健助(飴玉が口に入ったとたん静かになった……)
道士郎(子供じゃ)
健助「ああ上やん?日直の仕事でちょっと残ってるよ」
御坂「ひょ、ひょうらろ……」コロコロ
健助「心配しなくてもスグに来るよ」ニコニコ
御坂「ひぇっ!!?ひぇつりひゃいつろころらんらろうらっれひいんらはら!!!!!」コロコロ
健助(わかりやすいなあ……)
道士郎(戦える動物はおらんかのう)
ミテルヨ
ありがとう
一方通行『見つけたぜお侍さァン!!』
道士郎『あ、クズだ』
健助『ちょっ、道士郎』
一方通行『いい気になれンのもここまでだァ!どうもオレはオマエじゃなくてあのウニ野郎にやられたみてェだからよォ!』
一方通行『オマエだけならなンも心配はねェ!』
一方通行『きやがれェ!!!!』
道士郎『クズが偉そうに……』ザッ
健助『ちょっと待って道士郎』ボソ
健助「いや、今度は道士郎だけで倒したよ……」
御坂「え!!?うそでしょ!?どうやって!!!?」
健助「あのあと彼の能力について少し調べてサ、妹ちゃんにも話を聞いて考えてみたんだよ」
道士郎『? 承知』
一方通行『オラァ!!早くきやがれェ!!!!』
御坂「で?」
健助「思いっきりブッ飛んだ……」
御坂「まあさすがにいきなりそんなことできな」
健助「一方通行が」
御坂「え!?ホントに!!?」
御坂「その能力者相手に!どんな反応速度してたらそんな芸当できんのよ!!?しかもそんなアバウトな指示で!!?」
健助「だよね……ボクもまさかそんなにうまくいくとは思ってなくて……」
一方通行『ぐっ!!がっ!!』ドッゴッ
一方通行『げぶらっ!!!!!』ボゴンッ
健助「アドバイスしたコトちょっと後悔したよ……」
御坂「エエ…………私も武士になろーかしら……」
健助「ウーン、それはもう……」
不良A「あ、道士郎さんと健助殿だ!ちわっす!」
不良B「コンチワッス!」
道士郎「ウム、良い天気じゃの」
健助「やあ、ハハハ……」
御坂「……」
健助「ここらの不良は学園都市に来て一週間でこんな感じ……」
御坂「何者よアンタたち……」
道士郎「ヒマでござる」
御坂「そうだったんだ。う~ん、クズ退治がしたいんでしょ?それならいい仕事があるわよ」
健助「エッ」
道士郎「ほう」
御坂「ジャッジメントって言って治安を守る組織があるのよ。私の後輩も入ってるわ」
道士郎「健助殿」キラキラ
健助「エエ?ここでもそんなことするの~?」
御坂(ここでも!?)
御坂「!!!!!!!」
健助「じゃあ僕らは帰るよ」スタスタ
道士郎「ではまたの」ザッザッ
御坂「え!!?あ!!?」ワタワタ
上条「よう、どーしたビリビリ?」
御坂「あ、あああんたはまたそうやって!!!!」ビリビリ
上条「え!?ちょ、不幸だーー!!!!!」
健助「ジャッジメント?」
道士郎「でござるか」キラキラ
小萌「はい。まあ風紀委員のことなんですけどね」
健助(風紀委員……いい思い出がないなあ)
小萌「小坂ちゃんは警察目指してるんですよね?それを知ったお偉いさんが、ここにいる間だけでもそういう組織に在籍してみませんか?と申し入れてきたんですよ」
小萌「どうですか?やってみませんか?」
健助(う~ん、まァ昨日御坂ちゃんに聞いてから調べるつもりではいたんだけど)
道士郎「」キラキラ
健助(乗り気になってる道士郎がコワいんだよね)
超待ってた
健助「一応やることにはしてみたけど、道士郎?」
道士郎「カカカ!心配なさるな!いかなるときも健助殿の命令は絶対にござる!」
健助「……ウン、わかってるならいいんだ」
健助(しかしな、ドーモ不安が……)
道士郎「健助殿。この辺りではないかの?」
健助「ン?そうだね……あ、あそこだ177支部のある建物」
シーン
健助「……」
道士郎「……」
道士郎「頼もう」コンコンコンコン
健助「…………」
道士郎「…………」
道士郎「」コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン
ガチャ!!!!!!!
黒子「ウルサイですの!今手が離せないんイヤァァァァァァァァァァ!!?武士!!!??」
道士郎「なんじゃ?」
健助(まァ耐性ないとね、鈴ブチも裸足で逃げ出すほどだし……)
黒子「アナタ方が……お話はかねがね、お姉さまから伺っておりますわ」
健助「お姉さま?」
初春「御坂さんのことですよ。どうぞ、粗茶ですが……」コト
道士郎「かたじけのうござる」ペコ
初春(武士ですね)テレパシー
黒子(武士ですわね)テレパシー
健助(あ、オイシイ)ズズー
初春「ああ、研修なしで同じ仕事をさせろって言われたんですよね?」
健助「エエッ?そんなのきいてないよー」
黒子「まったく。ですので一週間は研修期間として私と行動を共にして頂きますが、よろしくて?」
健助「や、ウン。よろしくね」ペコ
道士郎「よろしくでござる」ペコ
健助「あ、ご丁寧にどうも。小坂健助、高一です。能力はどの種類かもまだわかってません」
道士郎「桜山一丁目2-36。桐柳道士郎じゃ」
健助「住所はいらないよ……しかもそれ実家でしょ?」
道士郎「そうでござった」
初春「ふふ。これからよろしくお願いしますね」
うん一応
健助(白……黒……?)
黒子「……今白黒とか思いまして?」
健助「ヒョッ!?」ビクッ
黒子「パンダみたいな名前とか思いまして?」
健助「そ、そんなこと思ってないよ!」
黒子「いえ、お気になさらず。昔からよく言われるコトですので」
黒子「」
黒子『うえぇぇん!お母さまー!』
黒子母『どうしたの黒子ちゃん?』
黒子『たかしくんがぁ……わたくしの名前が変だと言ってきますのぉー!』
黒子『どーしてこんな名前にしたんですのぉ!?くろこはくろこはもぉいやですのぉ!』
黒子母『黒子ちゃん……』
黒子母『黒っていう色はね、女の子を一番綺麗に見せる色なの』
黒子母『だから、黒子ちゃんがいつもその色で着飾っていられるように、綺麗な名前じゃなくて黒子ちゃんが綺麗になれる名前をつけたの』
黒子『でも変な名前には変わりないですのぉ……』
黒子母『大丈夫。いつかわかってくれる人が現れるわ』
黒子「健助殿!!」ガッシ
健助「エ!?」
黒子「一生大事にしますの!」ウルウル
健助「エ……ウン。それがいいよ」(離して欲しいな)ググググッ
初春「グズッ……良かったですね、白井さん……」サスサス
黒子「ういはる……ええ、ええ……」ググググッ
道士郎「よかったの」ウンウン
健助(一体なんなんだァ?……手は痛いし……)ググググッ
健助「あ、ウン」パッ
黒子「今日は少し遠めの学区までパトロールに行きましょう」
初春「あんまり遠くに行っちゃいけませんよ」
黒子「わかってますの。さ、ご両人とも早く」スタスタ
健助「待ってよー」タッタッ
道士郎「では行って来るでの」ザッザッ
初春「お気をつけて」フリフリ
黒子「そういうときはアレをご覧になればいいですの」
健助「あー、エンデュミオンかー」
道士郎「でっかいの。じゃが富士山には勝てんのう」
健助「いや富士山より大きいって」
黒子「ん?」ピロピロピロ
黒子「ではすぐに向かいますわ。ナビゲーションを頼みますの。このお二方のことはその後お願いしますわ」
黒子「健助殿。道士郎さん。申し訳ありませんが事件ですの。私はテレポートで現場に向かいますので、お二人はその後初春の指示で来ていただきますの。よろしい?」
健助「わかったよ。気を付けてね」
道士郎「怪我に気をつけよ」
黒子「心配ご無用ですの。ではお先に」ヒュンッ
道士郎「ホー」
健助「すごいね。ホントに瞬間移動したよ」
道士郎「便利じゃの」
健助「ウン。頼んだよ。ところでどんな事件なの?」
初春『いや、それがどうもキナ臭くてですね。見たところタダの強盗なんですが、スーツケース一つのために人がたくさん動いてるんですよ』
初春『とりあえず白井さんと合流して下さい』
健助「わかった。行こう道士郎」
道士郎「御意」
健助「? どうかした?」
初春『いえ……さっきから白井さんがまったく動こうとしないので……』
道士郎「! 健助殿、件の路地あたりから血の匂いがする。それも今この時にも身体から出ているような匂いじゃ」
健助「マズイ!黒子ちゃん!!」ダッ
道士郎「むっ!」ザンッ
黒子「……? 何を言っているのかわかりませんわ。ツアーダイアグラムとはお空にプカプカ浮いている人工衛星に載っているのではなくて?」
黒子「その残骸とやらがこんなところで、そんなスーツケースに収まっているワケがありませんの」
結標「フフフ、そう、あなたは御坂美琴からなにも聞いてないのね」
黒子「そこでどうしてお姉さまの名前が出てきますの?」
結標「その様子だと妹達のことも知らないみたいね……あなたに言ってもしょうがないわ。そうね……」
ザッ
健助「黒子ちゃん!」
道士郎「む」
結標「彼等ならきっとわかるでしょう」
無理に保守することないから落ちそうだったら落としといて
絶対また立てるから
道士郎「そういうわけにもいかんのう」
健助「ウン。そうだね」
健助「道士郎、スーツケースに座ってるところ見るとアイツは無傷でレベル4のテレポーターに勝てる奴だ」
健助「黒子ちゃんの腕にコルク抜きが刺さってるけど、念動力なんかでコルク抜きなんていちいち刺そうとは思わない」
健助「だからたぶん。アイツは黒子ちゃんと同じレベル4のテレポーターだ」
道士郎「御意。して?」
健助「とにかく動き回って狙いが定まらないようにするんだ。逃げられるかもしれないけど、こっちは黒子ちゃんを助けたいだけだからそれでもいい」
道士郎「承知」ザンッ
結標「あら、やる気?丁度いいわ、こっちも第一位を倒したっていう武士の実力を拝んでみたかったの」
健助&黒子(名乗るなーー!!)ウルトラエアーフリップサイド
結標「じゃあ遠慮なく」ヒュッ
道士郎「!!」バッ
カラン
健助(やっぱりテレポーターか)「あれぐらいなら道士郎も避けられるケド……」
黒子「私の針ですの。あの方はまだまだ武器になるものを持っておられますし、それに……」
結標「ほらほら、避けてるだけじゃつまんないわよ」ヒュッヒュヒュンッ
道士郎「それもそうじゃの」バッバッバッ
道士郎「」ザッ
結標「!」(策も無しに突っ込んで来るの?無謀ね)スクッ
健助(! 今なら取れる!)ダッ
道士郎「ヌグッ!!」ガクッ
結標「ほら言わんこっ」
道士郎「カァッ!!」グワッ
結標「なっ……っ!」ヒュンッ
スカッ
道士郎「ヌゥ……」ガク
結標「ハァハァ……バ、バカね、自分をいどっ移動させれば……避け、られるに決まってるじゃない……」
ヒュン!
結標「と、取らせないわよ……」パシッ
健助「エ!?」
結標「さよ、ならっ!」ヒュンッ
ドサドサドサ!
健助「ぐっ!」
黒子「くぅ……」
道士郎「む……」
黒子「大分飛ばされたようですの」
健助「さっきのヒトは黒子ちゃんみたいに物に触らなくても転移させられるの?」
黒子「えぇ、悔しいですが。それにどうやら移動させられる距離も質量も私より遥かに上回るようですわね……」
道士郎「むぅ……」
健助「道士郎!それ一杯刺さってるけど大丈夫!?」
道士郎「カカカ、こんなもの痛くも痒くもござらん」
健助「そんなワケないでしょ!」
健助「ウワー!ココで抜かないでよ!」
黒子「お二方はもうお帰りになって、傷の手当てをし下さいな」
健助「黒子ちゃんは?」
黒子「私は報告もかねて支部に戻りますの。傷の手当ては初春にしてもらいますわ」
健助「そっか……もう僕らがどうにかできる事件じゃないしね」
黒子「えぇ、ではまた」ヒュンッ
健助「さァ、早く帰ろう」
道士郎「そうじゃの」
健助(初日からあんな事件に遭うなんて、ちょっと上やんのアレがうつったのカモ……)ゴロゴロ
健助(まァ俺はケガとかなかったから良いけど、黒子ちゃんと道士郎はもうちょっとで大怪我だったからな……)ゴロゴロ
健助(…………)ゴロゴロ
健助(…………)ゴロゴロピタ
健助(ムカついてきた)ムクッ
ピンポーン
道士郎『健助殿ー』
健助「? なにー?」トテトテ
上条「インデックスさん聞いてください」
インデックス「なにとーま?」
上条「えー、上条さんちには本格的に食べるものがなくなりました」
上条「あるのはやはりもやしだけです」
上条「なのでこれから一週間もやしだけで…………そんなギラギラした目で見ないでくれ」
インデックス「ううんとーま。わたしは怒ってなんかいないんだよ」
インデックス「わたしやスフィンクスにごはんを食べさせてくれて、そりゃあ食べるものが無くなるのも当然なんだよ」
インデックス「だから、とーまとスフィンクスどっちが美味しそうか見比べてるんだよ」
上条「なにが『だから』なんだよ!?どういうことだよ!!?」
インデックス「うるさいんだよ!まずはそのうるさいとーまから胃袋におさめるかも!!!」ガバッ
上条「うわああああああ!!」ダッ
ピンポーン
上条「誰か来た!?たっけてくれー!!!!」ガチャ
上条「だ!?誰かはわかんねーけど助けてくれ!!!」グイグイ
道士郎「なんじゃ?」グイグイ
インデックス「誰かわかんないけどどくんだよ!どうしてもって言うなら食べ物を出すんだよ!」
上条「頼むどこかの王子みたいなヒト!何とかしてくれ!」
道士郎「しかしの、今は着物でなくての、飴玉も饅頭も持ち合わせておらんのじゃ」
インデックス「知らないヒトの御託はいいんだよ!早くそこをどいてほしいカモ!」
健助「ちょっと道ちゃん。ちょんまげ結ってないから二人ともキミが道士郎だって気付いてないよ」
インデックス「SAMUが!SAMUが俗世に染まっちゃったんだよ!!」ワタワタ
健助(あー、新鮮な反応だァ)ホクホク
上条「そ、そうか……いやアンタがいいなら何も言うことはねーけどよ……」
インデックス「さすがSAMU!Tシャツにジャージでもその心はSAMURAIなんだよ!でも着物じゃないとお菓子がないっていうのはどうにかして欲しいかも!」
健助「そうだ上やん。僕達食べ物のお裾分けにきたんだ」
イン&上「なにっ!!?」
道士郎「ほっ」ドシンッ
健助「ナマモノもいっぱいあって、二人じゃ食べきれないから上やんちに半分持ってきたんだ」
イン&上「…………」
健助「よかったら食べ」
上条「健助殿!」ガシッ
インデックス「SAMU!」ガシッ
上条「アンタ達が」
インデックス「神なんだよ!!」
健助「ちょっと上やん、やめてよー」グイグイ
上条「殿!一生ついて行きます!」ググググ
インデックス「新しい神を見つけたんだよ!もうイギリス清教なんてやめるんだよ!!」
道士郎「カカカ!それはよかったの」
健助「いやよくないでしょ」ググググ
上条「カセットコンロ?あるぞ、やろうやろう!インデックスも手伝え!」
インデックス「わかったんだよ!早く鍋にありつきたいんだよ!」
上条「二人は座っててくれよな」
健助「や、悪いね」
上条「いえいえ、お二人は神様なんでね。そんなことはありませんよ」
道士郎「かたじけない」
上条「……さて」スリスリ
インデックス「とーま、早く。早くなんだよ!」
上条「おおインデックス。待て、待つのだインデックス……手を合わせるのだ」
インデックス「」パンッ
上条「よし、では……いただきます」
インデックス「いただきます」
道士郎「いただきます」
健助「いただきます」(上やんがいただきますを言う人で良かった……)
上条「あの~、インデックスさん?もう少しスローペースで……」
インデックス「」ガツガツムシャムシャガツガツムシャムシャ
上条「二人とも急げ!具はまだ用意してるけどコイツにかかればそれも危ない!」
健助「いやいいよ……」ポロポロ
道士郎「腹が減っとったんじゃのう……二人でたんとおあがり」
上条「っ……すまん!では肉から」
ピンポーン
ガチャ
上条「どちら様……おお、どうした?」
御坂妹「はあ……はあ……」
健助「あれ?妹ちゃんだ」
道士郎「久しぶりじゃの」
御坂妹「はあ……た、助けてください」
健助「」スクッ
道士郎「」ズオッ
上条「まかせろ」
ガチャ
上条「どちら様……おお、どうした?」
御坂妹「はあ……はあ……」
健助「あ、妹ちゃんだ」
道士郎「久しぶりじゃの」
御坂妹「はあ……た、助けてください」
健助「」スクッ
道士郎「」ズオッ
上条「まかせろ」
上条「おう。事情を聞かせてくれ」
御坂妹「わかりました」
健助「インデックスちゃん」ボソ
インデックス「なに?」
健助「ボクらの分はいいからさ、上やんの分は置いておいてあげてよ」ボソボソ
インデックス「そんなの保証はできないんだよ」
インデックス「……だから、とーまを連れて早く帰ってきてほしいかも」ボソボソ
健助「うん。約束するよ。上やんは無事に連れ帰ってくる」
上条「はあ……はあ……御坂……」
健助「はあ、はあ……上やん、これだけいるんだ、手分けして探そう」
上条「そうだな……俺はあっちを探してみる!」ダッ
御坂妹「ではミサカはあっちに。と、ミサカは報告しながら走り去ります」タッ
健助「僕はあっちに行くよ。それと妹ちゃんの言ってたレムナントって……」
道士郎「日本語で『クズ』でござる」
健助「いやそうじゃなくて」
道士郎「なるほどの」
健助「まァとりあえず、御坂ちゃん見つけたら誰かに電話するんだよ」タッ
道士郎「承知」ザッ
結標「う……うぐっ、おぇ……」ズリズリ
結標(くっ……ふふ、あの女……私が自分を転移させられないとタカをくくってたわね……)ズリズリ
結標(おかげでここま)
ドスドスドスドス!
結標「痛ッ!!!」ガクッ
結標(…………!)ズシャッ
客1「う、うわああああ!」ガタダッ
客2「ひえぇぇぇ!おっかあ!」ダッ
客3(目を合わせちゃいけない……)ササササ
結標「ぐ……!」
黒子「手負いの相手に追い討ちをかけるのは気が引けますが……まあそれは私も同じ、五分五分ということで」
黒子「何なら全裸になって傷の手当をする時間と包帯くらいは差し上げますわよ?」ポーイコンコロ
結標「ぐぅ…………」
黒子「守りたいに決まってますの。話すと長くなりますし、高尚すぎて貴女には理解できないでしょうが」
黒子「お姉さまがここにいれば、私はおろか貴女に対しても『傷ついてほしくない』とおっしゃるでしょう」
黒子「そんなことを真顔で言うお方の未来を、守らない理由がありませんわ」
黒子「だから貴女を、’日常’に戻して差し上げますわ」スッ
結標「そう……やっぱりわからないわ」スッ
結標「……」
ヒュン!
黒子「!」ヒュン
結標「」ヒュンヒュン
黒子「くっ……!」ヒュン
結標「ふ……」ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン
黒子「! ……ぐっ!!?」
黒子(痛みで転移できませんの……!)
ボガガガゴゴン!!!!!
黒子(…………?)
黒子「!」
結標「……あれだけのイスやテーブルを捌くなんて……アナタ何者?」
道士郎「武士じゃ」
健助「もしもし!?」ピッ
上条『御坂と合流した!』
健助「よかった。それで御坂ちゃんは何か知ってた?」
上条『御坂の話だとエリアFの総合ビルでテレポーター同士がケンカしてるって、アンチスキルに通報があったらしい!』
上条『たぶん白井だろうって!』
健助「エリアF……?たぶん……今ボクのいるトコだ!」
上条『なら』
ボガガガゴゴン!!!!!
健助「! あのビルだ!行ってみる!」
上条『気を付けろよ健助殿!』
健助「ウン!」ピッダッ
黒子「武士……念のためお名前を伺ってもよろしいですの?」
道士郎「桐柳道士郎じゃ」
結&黒「!!!?」
黒子「どっ、道士郎さんはウチのジャッジメントですの!!」
結標「そ、そうよ!!しょうゆ国の武人よ!!!アナタみたいにTシャツジャージでさわやか王子じゃないんだから!!!!」
道士郎「道士郎は某でござる」
結&黒「それがしってどんな菓子よ(ですの)!!!?」
道士郎「ヒョッ!?」ビクッ
道士郎「クズ退治じゃ」
結標「クズ……?もしかして、レムナントのこと?」
道士郎「そうじゃ。いつもとはちと違うがの」
結標「それだけは絶対にさせないわ。まァ無能力者のアナタには到底無理でしょうケド」
黒子「道士郎さん……無茶ですの」
道士郎「ほう?」
結標「いえ、ハンデじゃ少し語弊があるわね。アナタは正々堂々な勝負が好みのタイプでしょう?」
結標「能力は武器のようなもの、だからアナタもなんでもいいからここにあるもので武装して貰って結構よ」
結標「そんなことをしたところで、あまり意味はないでしょうけどね」
道士郎「一理あるの。ならば……これにしようかの」
黒子「私の鉄矢……?」
健助「ストーップ!!」ザッ
健助(ヒヨコ……なんだかよく言われるなあ……)「あのさ、道士郎にもう一つ持たせてもいいかな?」
結標「ええ、好きなだけどーぞ」
健助「道士郎。悪いけど能力者相手に正々堂々は諦めてくれ」
道士郎「健助殿が言うならいた仕方ないのう」
黒子「健助殿?その口振りですと、まさか勝つおつもりで?」
健助「うん、だから黒子ちゃんにも協力して欲しいんだ」
健助「簡単なことなんだけどね……」ボソボソ
健助「うん。じゃあ頼んだよ」
道士郎「御意」スッ
黒子「あまり好ましいわけではありませんが……仕方ないですの」ピョンストッ
結標「これは………………肩車?」
健助「もう一つの武器は『黒子ちゃん』だよ。ここにある’者’でも別にいいよね?」
健助「あと二、三回は頑張って貰うさ」
黒子「その頃にはもう、貴女は地べたに這いつくばってますの」
結標「……言うじゃない」ジリ
黒&道「……」ジリ
健助(確かに道士郎はレベル0だ……)
健助(でも、逆に言えばキミが道士郎に勝ってるのはレベルだけ)
健助(その差を二、三回だけ黒子ちゃんに埋めて貰う)
健助(……重いよ。道士郎の一発は)
黒&道「」ジリ……グッ
ザッ!
結標「!」(わかってるわよ、アナタ達の考えぐらい)
黒&道「」ヒュンッ
結標(ほらね!でもテーブルとイスでバリケードを組めばそれでおしまい!!)ヒュンヒュンヒュンヒュン
ドサドサドサドサ!!!
結標(でもここまではアナタ達にも予想できたでしょう)
結標(だから、次はきっと……)
ヒュン!
結標(私の後ろでしょ!?)クルッ
結標「!!?」
道士郎「ハァァァ!!」グワッ
結標「!」(武士一人!!?)ヒュンヒュンヒュンヒュン
ドスドスドスドス!!!
結標(白井さんは!!!?)
ぬうぅぅ
黒子「振り返れば『前』が『後ろ』になるのは当たり前ですの」
結標「!!!!??」クルッ
ヒュパッ
結標「わ、私の懐中電灯を!!?」
健助「黒子ちゃんナイス」パシ
健助(なのにキミは能力を使うとき、いつもこの懐中電灯を手に持って振りかざしていた)
健助(ということは大なり小なり、能力に影響が出るんじゃないかな?)
結標「かっ、返しなさい!!!!!」
健助「ヤだよ!池内フラーーーーーーーーッシュ!!!!!!!!!!」カチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチ
結標「ぬあぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」
解説しよう、池内フラッシュとは…
一秒間に三回、ON・OFFを繰り返し、
更にライトの位置を微妙にズラすことにより、
網膜いっぱいに光の跡を残し、
相手の視界を奪う、究極の光技である!
健助(あ、この懐中電灯やりやすい)カチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチ
結標「ぬぐわあぁぁぁぁぁ!!!!」ブンブン
健助「道士郎!」カチコチカチコチカチコチカチコチカチコチカチコチ
道士郎「承知!」ザッ
道士郎「カアッ!!!!!!!!」
ブォン!!!!!
ゴスッ!!!!!!!!!!!!!
結標「ぬこっ」
デン!!!!
ベン!!!!!
バン!!!!!!
グルグル
ボスン!!!!!!!!!!!!!!
道士郎「ハァ、ハァ」フラフラ
健助「フーッ……」ペタン
黒子(この方たち…………)
結標「…………」コヒュー
黒子(ホントにやってしまわれましたわ)
健助(それにしても道士郎、女の子なのに容赦ないなあ……)
健助(あ、上やんのアレがうつったのか)ポン
結標(バケモノなんかじゃないバケモノなんかじゃない……)
結標(バケモノなんかじゃ……)
結標(バケモノなんかじゃないわね。うん)
結標(だってバケモノっていうのはあの侍みたいなのを言うんだもの)
結標(アレに比べたら私なんて普通の女の子よ)
結標(ていうか次に悪さしたらまたあの侍が来ちゃいそう)
結標(……目が覚めたら、自首するって言おうかしら)
御坂「はあはあ……」
上条「ここだよな!?」
御坂「うん…………!!!??」
健助「いやー、疲れた疲れた」スタスタ
道士郎「まったくじゃの」スタスタズリズリ
黒子「健助殿?わざわざ背負って頂かなくても……」
健助「いやー、ハハ。大分疲れてるでしょ?それにポッキーでも背負えるくらい軽いから気にすることはないよ」スタスタ
黒子「そうですか、ではお言葉に甘えて……」
御坂「ちょっと黒子!!!」
黒子「お、おぉおお姉さま!!!??」ビクッ
上条「おい、どーいうことだよこりゃー」
健助「やー、上やん。全部終わったよ」
道士郎「終わったでござる」
上条「どうした御坂?」
御坂「アンタは誰!?背中の結標とレムナントをこっちによこしなさい!!!」
上条「おいおい、何いってんだ」
黒子「そうですわお姉さま。おやめになってくださいな」
御坂「いいから言うことを聞きなさい、そこの王子様みたいなヤツ!!」
健助(常識人がいてくれることがこんなにうれしいなんて……)
道士郎「どうしたものかの」
御坂「ハァ!!?着物は!!?マゲは!!?もーやめたの!!!!???」
道士郎「武士は拙者の生業じゃからの、止めたりせんわカカカ!」
御坂「生業ってなに?」
道士郎「生まれついての仕事にござる」
御坂「武士の仕事ってなに?」
道士郎「敵と戦うことじゃ」
御坂「なによ敵とたたか…………ああ、敵と戦うことなのね」
健助(やっぱレベル5ってどっかおかしいんだよな…………)
上条「ん?おお、今回は仕事がなかったからな、まかせろ」
健助「それと、御坂ちゃん。このスーツケースにレムナントが入ってるんだ」
御坂「…………こんなちっぽけなケースに……」
健助「……レールガンでもなんでもいいよ。君の手で粉々に砕いて」
御坂「うん……わかった」
御坂「消えなさい」キイイイイン
ゴガアァァァァァァアン!!!!!!
…………
……
黒子「その時健助殿が叫びましたの。『池内フラーーーーシュ!』と」
黒子「その効果たるは結標の隣にいた私の目まで潰されそうな勢いで……」
上条「オオ、さすが殿!」パチパチ
御坂「ホーント、さすがねぇ」パチパチ
道士郎(さすがじゃ……)パチパチコクコク
健助「もっ、もーかえろーよ!長居しちゃいけないよ!」
上条「何言ってんだ殿。コイツをアンチスキルに渡さなきゃいけねーだろ」
結標「そうよ。それまで一緒に居てもらわないとコッチが困るんだから」
健助「なんでフレンドリーなのさ!!!?」カンッカンッ
一方通行「…………」コソ…
一方通行(しかもなんだァ?アイツらなンであンなに楽しそうなンだァ?)コソコソ
一方通行(オレも混ざ…………)コソ
一方通行(……混ざりたくなンてねェよ)コソ
一方通行「はァ~……」ポリポリ
一方通行(帰るか……)コツコツ
一方通行「ボクはクズ、クズ、クズ、クズ~」コツコツ
一方通行「クズ餅じゃないよ」コツコツ
一方通行「クズ、クズ、クズ~………………」コツコツ
一方通行「はァ~…………」コツコツ
健助(さすがに黒子ちゃんは入院した。そのお見舞いに今日は来ている)
健助(でも道士郎のほうが傷は多かった)
健助(ちなみに道士郎は今日の体育のサッカーでリフティング300回を記録している)
健助(サッカーもできるのか、と少し感心した)
健助(結標も自首したが、大人にいいように使われていたということで、すぐに出てくるらしい)
健助(復讐にきたらどうしようか)
健助「上やん、ノックぐらいしてから病室に入りなよ……」
上条「そうだよな……」
インデックス「とーまが悪いんだよ」
上条「ちくしょーインデックス!俺はまだ昨日の鍋のこと許したワケじゃねーからな!」
インデックス「それも早く帰ってこなかったとーまが悪いんだよ!」
上条「くそう……くそう……」グズッ
健助「だから早く帰ろうって言ったのに……」
子供「びえぇぇえ!」
道士郎「大丈夫かの?」
上条「はあ~……」
健助「まぁまぁ、元気出しなよ」
インデックス「とーまの元気がないのはやっぱり嫌かも」
上条「誰のせいだと…………はあ、別にもういいか」
キャーーーーーーーー!!!!!!!
健道上イ「!!!!!!?????」
スキルアウト1「へへへ、いいじゃんかいいじゃんか」
スキルアウト2「楽しもうぜ~、なあ~」
スキルアウト12「ヌフフフフフ」
ボガン!!!!!
スキルアウト2「かぺっ」
ドチャッ
スキルアウト1「うわわわ、うわー!!なっ、なんだオメーら!?」
上条「武士だ!」
インデックス「武士なんだよ!」
道士郎「桐柳道士郎でござる」
健上イ(名乗るなーーーー!)
上条「本名はダメだろ!」
道士郎「しかしの、ではなんと名乗ればよいかの?」
インデックス「武士でいいんだよ!」
道士郎「武士は生業じゃ」
健助「ハァ……一つあるでしょ?」
道士郎「……おお、そうじゃったの」
健助「不幸だ……」
終わり
乙
面白かった
そして満喫行って道士郎読み直してくる
引用元: ・道士郎「ジャッジメントでござる」健助「不幸だ……」
※続編有り